
代居 鈴香Suzuka Yosue
英語スコアがないままトライアウトに挑み、NCAA D1のシタデル大学からフルスカラシップ(全額奨学金)のオファー。軍関係の大学で、サッカーと学業に向き合っています。
- 出身
- 大阪府
- 日本での所属
- JFAアカデミー福島
- アメリカでの所属
- シタデル大学
- ポジション
- FW
所属・学年・状況は取材当時(2021年)のものです。
シタデルでの生活はどうですか?
今は2年目で、だいぶ快適になりました。良いグラウンドとキャンパスでサッカーと勉強ができる環境、という意味では、何の問題もないです。英語も上達しました。実は今、全額奨学金の選手の備品購入について、NCAAから警告が出ています。全額奨学金の選手は、キャンパスストアでも奨学金で買っていいもの、だめなものが決められているのですが、その点の精査を受けているんです。
シーズン中は忙しくなります。金曜・日曜が試合で、月曜がお休み。その時に宿題をしています。あとはビーチに行くか、ご飯を食べに行くか。部屋で、みんなで映画を見るとか。大学にボートハウスみたいな場所があって、仲間とリラックスして過ごすのも好きです。
専攻は、スポーツ関連からスポーツマネジメントを選びました。マーケティングや、オリンピックなどのイベントの裏側の勉強をします。今、アスレチックトレーナーに興味がありますが、とても難しい授業ばかりなので、取るとしたら3年生からかな、と考えています。将来もスポーツ選手に関わりたい気持ちがあります。
楽しんでいるようですね。慣れるまでは大変そうでしたが…。軍関係の大学生として、1年生の生活を教えてください。(アメリカの大学すべてがこのような生活ではありません)
日常生活が、普通ではなかったです。1年生は6時20分起床で、ほうきの使い方も指定されて掃除。その後の朝礼で、本を朗読。決められたスタイルで本を持って…。敬礼の仕方も覚えましたよ、目を隠すような角度です。「夜の音」が鳴るまで、1年生は制服を着替えたり寝たりしてはだめ。でも、2年生以上は、そういうルールが全部なくなるんです。
最初はなにがなんだかわからなくて、帰りたくて辛かったですが、今は達成感があります。もしここまで大変ではなかったら、何となく過ぎていたかもしれません。我慢強さとか、勝負強さとか、目に見えないけれど成長することができたという実感もあります。目の前にあることを一生懸命こなしてきて、ふと、入学した時の立ち位置と今を比べたら、大きく成長したな、と。

では出発地点に戻って、トライアウトを受けようと思ったきっかけは?
(JFA)アカデミーで中学3年の時にアメリカ遠征があって、スタンフォード大の試合観戦や大学見学をしました。ここでサッカーしたい!と思って。その気持ちがずっと心にありました。タイミングもあって高校卒業時には進学できず、あきらめかけていましたが、日本のリーグにいた時にWithYouのトライアウトを見つけて、受けようと決めました。あの時はぶっつけ本番でした。アメリカに行きたいという気持ちの強さと、(中高)6年間、寮に住んでサッカーをやってきた自信だけで、楽しんで挑戦できました。シタデルからオファーをもらった時は本当にうれしくて、英語スコアも何も持っていなかったのですが、なぜか焦りもなくて、もう、行けることにワクワクしていました。
短期間で集中してスコアを取ったのはさすがです。でも、英語は不十分なまま渡米したのですか?
はい。私だけ英語を理解していないから言動を間違えたり(笑)。チームメイトが、指導教員に「この子は英語が分からない」と説明して許してもらっていました。サッカーがあるからこそ、支えられたものはたくさんありました。普段の生活はチームメイトに助けてもらわないといけないけど、サッカーでは、逆にみんなが自分の言うことを聞いてくれる。サッカーのときだけは、自分らしくあれるというか、気持ちがすごく楽になる、というか。
英語が話せない時は、「言いたいことが言えへん」ってこんなにしんどいんやな、と思って。これが面白い、楽しい、聞いて聞いて、を言えないのはこんなにも辛いのか、と思いました。
そのぶん、サッカーは強気でいきました。私はこのために来ているという気持ちがあったし、自分はフルスカラシップをもらっていて、ここに来るまでに応援してくれている人がいる。その人たちをがっかりさせたくないとも思って、自分のできることを淡々とやりました。人によって強気でいられる部分は違いますよね。行動で見せる人も、口がうまい人もいて、私は、サッカーで自分の気持ちを表現するのが得意だな、と。もちろん言葉は大事ですが、人に影響を与えるのに、行動でわかってもらえることっていっぱいあるな、と気付きました。

NCAA D1、でも決して上位校ではないシタデルって、どんな感じですか?
チームの雰囲気は良かったかなと思います。でも正直、最初はチームのレベルも高くなく、余裕でやれる感じで、トランスファーしたい(他校に移りたい)と思っていました。実際に1年間が過ぎたとき、今はトランスファーできる状態じゃない、と気づきました。サッカーでは余裕でしたが、それ以外の部分ではほとんど「大学生として独り立ちしていなかった」んです。GPA(大学の成績)が低くて、日常会話もまだまだで、シンプルに、まだ自信がありませんでした。トランスファー先でも一人でやっていける自信がなかったら絶対に行けない、と分かって、残ることにしました。よく考えてみたら、D1で奨学金をもらって毎日過ごせていることを考えたら全然悪くはないし、欲を言えば、もうちょっといい環境でプレーしたい、という希望だけだったな、と。
将来は絶対、プロになりたいです。アメリカで。ヨーロッパなども第二候補で考えていますが、第一候補はアメリカです。だから、トランスファーしないと決めたわけではなくて、英語も生活面も自信をつけてステップアップしようと思っています。

後輩へのメッセージ
ほかの留学生の声
短大から4年制への編入、NCAA D1、プロ契約。それぞれの道を、本人の言葉で。

実際に来てみると、自分が思っていた以上にレベルは高かったです。阿部 健人静岡学園高校 → メリーランド大学(DF)

落ちたらどうしようということは、落ちてから考えればいい。橋井 モリソンSC鳥取 → ハインズ短期大学(FW)

苦しい環境を、自分を強くしてくれる時間だと捉えられるなら、絶対にアメリカ留学はおすすめです。沖吉 大夢神戸弘陵学園高校 → ソルトレイク短期大学(MF)

コロナで計画通りではなかったものの、D1に編入するという目標を達成できました。山田 りさ大阪桐蔭高校 → ヒル短期大学 → カリフォルニア大学デービス校(MF)

アメリカの授業は発言が命で、逆に言えば発言していれば何とかなります。佐々木 友青森山田高校 → パークランド短期大学 → マウントマーシー大学(FW)

自分の武器であるスピードは、このチームの誰にも負けないです。木村 和貴エストレラ姫路 U-18 → マーシャルタウン短期大学 → コースタルカロライナ大学(MF/FW)
次は、あなたの番です。
米国大学のコーチが、日本まであなたのプレーを見に来ます。